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 岡江久美子さんは死ななくてすんだのでは      本気でPCR検査、軽症者収容、医療・保健現場の支援をしていたら?

土曜日, 5月 9th, 2020

 PCR検査体制と軽症者収容、そして医療・保健現場の支援に対する不備を放置してきたことはもはや揺るがしがたい事実であり、その責任は政府と厚労省にあることがはっきりした。認めるわけもないその責任を今追及したところで意味がないという意見もあるだろう。しかし、本気で取り組めばできる可能性があった施策、体制をとらなかったことで、失われずに済んだかもしれない命、ビジネスがあったことを考えれば、この事実は確認しておかなければならない。
 
 PCR検査の停滞という失態は、安倍首相、加藤厚労相、そして政府専門家会議の発言から明らかになっている。加えて、自民党の田村憲久代議士という自民党の元厚労大臣もこれを認めている。
 検査の拡充ができていないことについて、政府の専門家会議は検査体制が十分でなかったことを理由にしている。
 ――専門家会議は、「(検査を担う)地方衛生研究所の体制拡充を求める声が起こらなかった」と、指摘。新型コロナの感染拡大後は、検査を実施するかを判断する保健所が患者らの相談対応などで忙殺され、検体を採取する医師の感染防護具も不足していたことなどを挙げた。――(5月4日毎日新聞)
 ここで挙げられた理由は、果たして解消できなかった理由だろうか。
 「検査を担う地方衛生研究所の体制拡充を求める声が起こらなかった」と言うが、「起こらなかったという事実」はなにも今になって気づいたことではないはずだ。「起こらなかったこと」を認識していて専門家会議も、政府も黙っていたわけだ。「求める声が起きていれば対処したが、起こらなかったからしなかった」と聞こえるが、これでは、道端でケガして倒れていた人がいても、「助けてくれ」と言われなかったからそのまま通り過ぎたといっているのと同じだ。
 
 次に、「検査を実施するかを判断する保健所が患者らの相談対応などで忙殺され、検体を採取する医師の感染防護具も不足していた」という理由だが、これもあまりに傍観者的だ。「忙殺されていて、感染防護具も不足していた」ことは、早い段階で知られていた。「忙殺されていた保健所と感染防護具が不足している医師や病院」があることももちろん最初から分かっていたはずだ。この問題を解決するのはもちろん政治、行政だが、専門家会議も「問題を解決すべきだ」と強く提言すればいいではないか。「専門家会議としては提言したが、解消されなかった」というのならわかるが「不足していた」という事実認識だけならだれだってできる。
 専門家会議は、政権を忖度する必要などないはずだが、これでは「さぞ、行政も政治も現体制では大変だろうから、無理でしょう」と、忖度しているともとれる。いったい専門家会議とは、どういう立場なのか。厚労省の行政としての責任者が顔を見せずに、いつも専門家会議がまるで、政策の責任者のように登場して発言している。実に責任の所在が分かりにくい。合理的なことが実行されない。だから、「本気で検査を増やそうとしたのか」という怒りにも似た質問が各方面から政府に投げかけられる。

 事態の収束に向けてPCR検査の拡大の有用性については、京都大の山中伸弥教授をはじめ英国キングス・カレッジ・ロンドン教授でWHO事務局長上級顧問の渋谷健司氏などの専門家、そして社会物理学の立場から研究した九州大学の小田垣孝名誉教授、また経済学の立場からも法政大学の小黒一正教授など数多くの知識人が訴えている。
 現場で検査を積極的に行っているクリニックや病院をはじめ、医学部附属病院でPCR検査のシミュレーションを実施した山梨大の島田真路学長も国の体制を批判し、検査拡充を訴える。

 政府が、早くから検査に向けて人材、金、資材を投入、収容施設の確保という施策に本気で取り掛かっていれば、社会活動をほぼ正常にできる人とそうでない人をある程度区別し、全国民に長期にわたって網をかけるようなことをしなくても済む。その可能性がわかっていながら、放置してきたことで、ウイルスによる死者、経済活動を奪われビジネスや仕事を奪われた人、倒産者をもっと抑えられたかもしれないことを考えると、なんとその罪は重いことか。
 リーダーシップをとる人間がなく、そうした施策がとられず、目先の簡単な施策である数百億を使ったマスクの配布や、事態収束後の観光キャンペーン予算を組むことをよしとしているような、だれでもできるようなことをしてきた安倍首相、加藤厚労相の責任は重大だ。
 政府や専門家会議を批判することが目的ではない。しかし、事実を追えば当然こういう批判をせざるを得ない。
 最後に検査体制などの不備との関係に戻れば、沖縄の基地問題の解決にも尽力されるなど多くの業績を残した岡本行夫氏の死の経過についても注視したい。

  

 

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