スカイマークと公共性

 安全上のトラブルが相次いだ航空会社スカイマークの顧客対応が話題になった。

「機内での苦情は一切受け付けません。ご理解いただけないお客様には定時運航順守のため退出いただきます。ご不満のあるお客様は『スカイマークお客様相談センター』あるいは『消費生活センター』等に連絡されますようお願いいたします」と明記した文書を機内で顧客向けに置いていた。
 サービスの質も金次第という精神の極みのようだ。商売上のポリシーなのだろうが、常識のなさを露呈したのが、消費生活センターへ苦情の矛先を振り分けたことだ。

 お客に自分の店のトイレはつかわせず、となりの公衆トイレをつかってくれと言っているレストランのようなものだ。
 公共に対する認識が著しく欠如していて恥ずかしい。それでいて常識はなくても消費生活センターの存在を知っているところがずる賢さを示している。これに対して同センターはスカイマークに抗議、同社も謝罪して関係文書を回収したという。
 
 公的機関は広く誰のものでもあるが、個人のためにあるわけではない。図書館はみんなのものだが、だからといって借りた本に書き込みなどはしてはいけない。自分のものでありみんなのものであるものについては、自分だけのものより丁寧に扱うことで公共社会は質が高くなる。
 


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