なぜできないか、をなぜ問わない

 日本医師会会長が会見で、医療崩壊の危機が迫っていることを訴えている。が、いったい誰に向けて話しているのだろう。市民一般は自粛以外に協力のしようがない。それで不十分なのは明らかなのだから、国に「○○してほしい、すべきだ」とはっきり言えばいいのになぜそれを問わないのだろう。

 
 厚生労働省クラスター対策班の西浦博・北海道大教授が、15日、流行対策を何もしないと、40万人以上が死亡すると予測されることを公表したとメディアは報じる。あいまいな記事だ。西浦教授は研究者の立場で話しているのか、国の立場で話しているのか、こんな報道の仕方ではわからない。

 大切なのは、そうならないために、誰が何をしなくてはいけないのかだ。国民に対する警鐘なのか、内部スタッフの悲鳴として、首相に訴えているのか。メディアは、彼がどういう立場でどういう意図で誰に訴えたいのかを示さないと、問題解決に至らないのではないか。

 国はPCR検査を広げようとしている。民間の力を借りればそれはできるという。だけど現実はできていない。それはどうしてなのか、状況報告と警告と、悲鳴だけが聞こえてくる。当事者、厚労省の責任者、大臣、首相の確たる決意や覚悟が表明されない。なぜなのか、メディアの関係者、そこを突っ込んでほしい。

 


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